結婚とは何か?私はあまり深く考えてはいなかったと思う。若いときは考えていたかもしれないが、結婚して何年も経過すると結婚が何か?など考えもしなくなる。
その結婚とは何かということを、さまざまな視点で分析したのが「結婚の条件」である。なかなか興味深い指摘ばかりでおもしろい。
例えば、相手へ求める条件が恋愛と結婚では異なると指摘している。
結婚の価値観は、団塊世代の親、団塊世代、と現代とでは、その価値観が時代背景や経済情勢によって変化し続けてきている。
昔の母親像は
母のように自分を犠牲にして家族の情動のガソリンスタンド
という言葉で表現している。とにかく我慢して、母親は家族のために犠牲が求められたが、現在の母親は自分の母親とは同じようになりたくはないと考えており、ワークライフバランスなどのように、男性も育児などの家事への参加を社会に求めている。
四十歳頃の夫は、結婚当初よりも経済的に豊かである。一方、妻の側の資源である若さと美貌は、新婚当時より、確実に低下する。結婚が、経済(カネ)と美(カオ)の交換であるなら、四十歳の夫婦のパワー・バランスは、ほとんどが夫優位である。
また、結婚は男のカネと女性の美の交換と指摘する。
外見的な美貌は20代をピークとして下り坂になる。当然ながら、女性の価値が一番高いのが20代となる。一方で男性の価値が一番高いのは20代ではない。20代はあまり多くのカネを稼ぐことはできておらず、すこしずつ稼ぎ(価値)が上昇していき、一般的には50代が一番高くなる。
20代でいえば、男性よりも女性のほうが立場は強くなる。別の観点で考えると、女性は将来のどれほどの稼ぎを得られるかという視点で男性を「めきき」をしなければならない。この才能がないと、優秀な男性は刈り取られ、「めきき」が難しい男性の中から選ばなければならなくなり、必然的に結婚が遅れてしまうことになる。
30代、40代、50代と男性は稼ぐを増やしていくことになるので、男性の価値は高くなっていく。一方で女性の美貌は年々減少していき、価値が減少していく。順調に稼ぎを増やしていけている家庭では男性のほうが立場が強くなっていく。
そして、もう一度価値の再編成が起きる。定年退職である。
夫の価値が0になる時である。
リストラされて稼ぎもないのに「一日三回家でご飯を食べる」夫を持った妻は地獄であろう。
という言葉で表現されている。リストラに限らず、定年退職でも同じだろう。男性が定年退職して、家でゴロゴロしていると、粗大ごみ扱いされるとよく聞く。まさにゴミと同じく、無価値になったのだ。
このように結婚とは何か?という視点が沢山盛り込まれており、改めて考えさせられたことが多数あった。一度結婚記念日などをきっかけに、結婚というものを振り返るために本書を読んでみたらいかがでしょうか。