日本のプロ野球もチケット転売を認めて、チケットの2次市場を運営してほしい。

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日本プロ野球改造論 (ディスカヴァー携書)を読んで日本のプロ野球チケットを「ダイナミック‐プライシング」にしたらどうか?という記事を書いた。

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本書で記載されていた大リーグの事例のうち、「ダイナミック‐プライシング」に加えて、もうひとつ日本でも導入して欲しいと思ったのは「球団公式のチケットの2次市場」だ。

今回は「チケットの2次市場」について書いてみる。

「チケットの2次市場」とは、すでに発行済みのチケットを売買する市場のことだ。株でいえば、東京証券取引所となる。現在、野球のチケットは営利目的で転売することは禁止されているが、大リーグでは転売を認めていて、その市場を球団が運営している。日本でも転売を認め、球団が2次市場を運営したらよいのではないかと思う。

転売は、暴力団の資金源になることから、禁止された経緯があるようだ。転売を禁止するのは、それだけ儲かるという証拠でもある。転売が成り立つのは、チケットが定価よりも高く売れるからだ。ただ、高値になるのは最前列などの限られた座席だ。そのような座席の定価を高くすれば、転売者の儲けがなくなるので、結果として転売を防げる。

転売が成り立つもうひとつの条件は、定価よりも安く購入したチケットを、転売するケースがある。この場合、定価よりも安く売却する人を減らさないといけないと転売を減らすことができない。

なんらかの理由で観戦ができなくなってしまた人は、少しでも現金化しようと、定価よりも安く売却する。チケット価格に詳しい人間は、そのチケットが市場価値よりも安いどうかを判断し、安ければ購入して、転売して売却益を得ようとする。

なんらかの理由で観戦ができなくなってしまた人を、救済できれば転売はなくなる。一つの方法として、チケット購入のキャンセルを認める方法があるが、これだと球団の負担は重く、採用はできない。そこで「球団公式のチケットの2次市場」の運営という方法がでてくる。

転売は球団公式のオークション市場のみ許可するようにすれば、球団にとってさまざまなメリットがでてくる

  • 営利目的で転売する人が減る。
    試合に急遽いけなくなった善意の人は球団公式のオークション市場で売却すればよい。今までヤフオクなどで転売していきた人は、球団公式のオークション市場での購入も、売却も行いにくい。主催者側に座席も個人名がばれている状態では、自由がきかないからだ。

  • 転売手数料収入が増える
    2次市場で手数料をとれば、手数料収入を得ることができる。

  • 安価なチケットでファン拡大を狙える
    オークション市場で、定価よりも安い価格でチケットを購入できるのであれば、今まで観戦したことがない人も、野球観戦してみようと動機づけになる。球団の財政を傷付けず、安価のチケットが提供できるようになり、ライトなファンの獲得するための武器になる。

  • 空席を防ぐ
    球場内の空席状況は人気を表すバロメータの一つだ。空席が多ければ、マイナスイメージにつながってしまう。オークション市場により、チケットが流通するようになれば、空席を防げる。

  • 前売り券がはやく売れる
    平日は仕事の都合で試合に行けないかもしれないと思うと、無駄になってしまうチケットは購入しにくい。不確実性があると心理的な障壁となって、チケットの購入を控てしまう。もしも、公式のオークション市場があれば、とりあえず座席を確保しておいて、もしも不運にも仕事で行けなくなった場合でも、すぐに売却できれば安心して購入できる。よって、前売り券がはやく売れるようになり、今まで購入をためらっていた人からの購入が増える。需要が増えることになるので、需要と供給のバランスでチケットの価値は高まる効果もある。

  • シーズンシートを購入者が増える
    シーズンシートを購入しても、すべての試合を観戦できるわけではない。観戦に行けないチケットを売却できれば、年間通して試合を見に行けなくとも、シーズンシートを購入しようという人が増えるはずだ。シーズシートオーナー用のWebサイトを作って、日付を指定したら簡単に売却できるようにしたら、利便性は高い。シーズンシートは法人契約が多いと思うが、球団公式のオークション市場があれば、個人でも安心して購入できる。

シーズンシートは一般発売のチケット価格と比べると価格は高い。巨人の例だと、指定席Sは6100円。シーズンシートではスターシートと呼び、63試合分で1,085,100円となり、1試合あたり約17,200円にもなる。指定席Sよりも1万円以上も高い。ただ、その分価値が高く、スターシートは指定席Sの座席よりも前方席となる。球団側としても、一般販売の定価よりも高い値段のシーズンシートが売れたほうが安定した利益を得やすい。そのシーズンシートの購入者が増えるのだから、メリットは大きい。

「チケットの2次市場」は、不正な転売行為を減少させ、球団側にも数々のメリットがある。昔であれば人手のコストがかかり、運用が難しかったと思うが、今はITがあるので、このような市場を作るのは簡単だ。ぜひ人気球団はこのような2次市場や制度を作って、チケットの流動性を高めてほしい。

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